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注目!『新HSK教程』が正式発表、「3等9級」体系が世界の中国語学習パスを刷新

   

【HSK合格喜報】

中国語学習の成果が輝かしい形で実を結びました!二つの素晴らしい合格喜報をお届けします。これからもHSKの旅を続ける皆様に、同じような輝かしい成果が訪れることを祈っています!
2025年11月15日、「世界中国語大会」開催中に北京で「汉语水平考试(HSK)グローバルパートナーコングレス」が盛大に開かれ、その場で『新HSK教程』が正式に発表されました。

汉语水平考试(HSK)は?

世界中の中国語学習者にとって「黄金の基準尺」と呼ばれる重要な評価指標です。近年、HSKの制度と試験内容には大規模な改革が進められてきました。従来の6級制から現在の「3等9級」体制へ、さらにHSK3.0新版試験要綱へと転換していく中で、中国語習得の段階的成長モデルはどのように再設計されたのでしょうか?以下では、その核心となる変更点を体系的に整理し、ご説明いたします。

新HSK教程』の背景と特徴

新HSK教程』はHSK3.0試験要綱を厳格に遵守して編纂された教材で、中外言語交流協力センターと漢考国際教育科技(北京)有限公司が共同で企画・開発を行い、外語教学と研究出版社(外研社)が独占的に出版を担当しています。HSK3.0に対応した学習ニーズを満たすだけでなく、学習者の能力向上を効果的にサポートすることを目指しています。

 一、HSK新「3等9級」体制:能力レベルを明確化、学習目標を具体化

新版HSKは「段階的成長」をコンセプトに、中国語能力を「初等」「中等」「高等」の3つの大きな段階に分け、各段階をさらに3つのレベルに細分化する「3等9級」体系を確立しています。各レベルの能力要件と学習目標は以下の通りです。

  • 初等(1~3級):日常生活における基本的なコミュニケーションに対応できる能力を評価します。例えば、飲食店での注文、各種フォームへの記入、簡単な自己紹介などのシーンが対象となります。学習者は608音節、900漢字、2,245語の語彙を習得する必要があります。
  • 中等(4~6級):職場や教育関連の話題について議論できる能力を測定します。1,800漢字、5,456語の語彙をマスターすることを要求するほか、新聞記事の読解やビジネスメールの作成が可能なレベルに達する必要があります。

高等(7~9級):学術研究や深度な文化交流に対応する高度な中国語能力を評価するレベルで、これまでにない「学術シーン」が新たに導入されました。3,000漢字、11,092語の語彙を習得することが基本で、特に学術的な要約作成や5段落構成のエッセイ執筆が課題として含まれます。其中、科学技術分野の要約では「革新性」を、社会科学分野では「調査の意義」をそれぞれ強調することが求められます。

二、新試験要綱(HSK3.0)の3大核心特徴

HSK3.0新版試験要綱は、学習者の実践能力と総合素養を重視するため、以下の3つの特徴を備えています。

1.学術能力の重視度アップ

高等レベルの試験では、大学院(修士・博士課程)に準じた学術シミュレーション問題が導入され、学術論文の要約や専門分野の翻訳問題が試験内容に組み込まれています。これにより、学術分野での中国語応用力を評価できるようになりました。

2.文化的理解の深化

「現代中国文化理解」をテーマとする項目が新設され、「文献研究+フィールドワーク(現地調査)」を組み合わせた教育モデル(例:「農村振興」のケーススタディ)を提案しています。学習者は実際の考察活動や異文化対話を通じて、中国文化に対する理解を深めることが求められます。

3. 評価粒度の精緻化

試験の評価基準がより詳細に設計されています。例えば、ライティング課題の数を増やし、リスニング試験の速度区分を再編成するほか、アカデミックテキストの読解問題も新たに追加されました。

 

三、新旧HSKシステムの比較:評価次元が多様化

旧HSKの6級(総試験時間240分)は、新版システムでは7級の難易度に相当する位置づけとなります。

さらに、評価の次元も大きく変更されています。従来は「単なる言語知識」(語彙・文法など)を中心に評価していましたが、新版では「漢字」「文法」「文化理解」を統合した「多面的評価体制」へと転換し、学習者の総合的な中国語能力を測定できるようになりました。

 

四、HSK資格の主な活用シーン

HSK合格証は、学習者にとって様々な場面で価値がある資格です。

  • 留学:中国の大学への進学や奨学金申請において、HSK資格は必須の要件となることが多く、レベルに応じて進学先の選択肢も広がります。
  • 職業発展:外資系企業(特に中華系企業)の採用面接や、中国国内での就労ビザ・永住権申請において、高等レベル(7~9級)のHSK証明書は「競争力のアドバンテージ」となり、キャリアアップに大きく貢献します。
  • 学習計画:HSK試験を通じて学習成果を定量的に把握することで、自身の弱点分野(例:ライティングが苦手、学術用語が不足など)を明確に特定し、効率的な学習戦略を立てることが可能になります。

五、レベル別試験対策と学習アドバイス

各レベルの試験に合格するためには、目標に合わせた対策が必要です。以下にレベル別の学習ポイントを紹介します。

1. 初等レベル(1~3級)

– 漢字の正確な書き方と読み方を徹底的に練習し、基礎的な語彙を暗記することを優先します。

– 日常会話の録音を活用した「シャドーイング(追いかけ読み・追いかけ話し)」を繰り返し行い、発音とリズムを身につけましょう。

2. 中等レベル(4~6級)

– 話題の範囲を広げ(例:経済・教育・環境など)、各分野の基本的な用語を学習します。

– 中国の新聞(例:『人民日報』海外版)や短編小説を精読し、文章の構造や論点を把握する練習をします。

3. 高等レベル(7~9級)

– 学術雑誌(例:『中国社会科学』『経済研究』など)の論文を定期的に読み、学術的な表現や論理展開に慣れましょう。

– 文化的テーマ(例:中国の伝統芸能・現代社会の課題など)に関する事例を集めて整理し、エッセイやディベートの素材として活用します。

– アナログ翻訳(例:中国語の学術文章を母語に翻訳、母語の意見文を中国語に翻訳)の練習を続け、専門分野の翻訳能力を鍛えます。

まとめ:新版HSKがもたらす学習の新機会

新版HSKは「学習者の個別ニーズに応じた成長経路」を提供することを目指し、「3等9級」の明確な体系とHSK3.0の総合的な評価により、学習者が段階的かつ確実に中国語能力を向上させることを支援します。

実は、2021年に『国際中国語教育 中国語レベル等級標準』が発表されたことをきっかけに、HSKはすでに「初等・中等・高等」の3段階に大別され、各段階を3レベルに細分化する「1~9級」体系の基礎が確立されていました。今回の『新HSK教本』発表は、この体系をさらに充実させ、世界の中国語学習者により優れた学習リソースを提供する重要な一歩となります。

今後、中国語を学ぶ方々にとって、新版HSKは「目標設定の指針」と「能力証明のツール」として、より大きな価値を発揮していくことでしょう。

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